オシャレな飲食店が目立つ吉祥寺ですが、地域の住民に愛され続ける老舗も魅力的。
そば、ラーメン、和菓子など、様々な飲食店が営業しています。
ところで老舗とは。歴史のあるお店？創業100年以上？など、人によってイメージが異なるでしょう。
日本国語大辞典によると、次のように書かれています。
１：父祖の家業を守り継ぐこと。２：商売・経営をして信用を得ること。３：伝統、格式、信用があり、繁昌している店。４：守りつづけている方針や主義。
本ページでは客観的に分かりやすい定義「1」。家業を継いでいて、創業50年以上のお店を老舗としてご紹介します。
吉祥寺やぶ
1923年（大正12年）の関東大震災の時に、当時新宿にあった「やぶ浅」を吉祥寺に移転して創業した蕎麦処。
現在の代表は3代目店主の嶋田博さん。創業以来、代々伝わる蕎麦の作り方を引き継いでいます。
お店にある製麺機は1950年生まれの嶋田さんが生まれた時には既にあったもの。メーカーに年式を問い合わせてみても、正確には分からないという回答がくるほど古く、貴重なものが現在でも使われています。
木製のテーブルと椅子、座敷の畳は時代を感じる使い込まれた風合い。やぶ浅の歴史を感じます。
現在でもランチタイムになると常連客を含め、多くの人で賑わいます。
2020年のコロナ渦には、いちはやくテイクアウトにも対応。老舗であっても状況に合わせて素早く対応する姿勢が、長く営業を続ける秘訣の1つなのでしょう。
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中清
こちらも1923年（大正12年）創業。4代目・清田泰允さんがお店を切り盛りしている蕎麦処。
店内にはジャズが流れていたりする独特の雰囲気があります。
ご飯物の丼メニューはボリューム満点。丼ものを注文すると小さいサイズのお蕎麦も付いてきます。
地酒の銘柄が充実しているのも特徴の1つ。それに合わせて酒肴も充実。じっくりちびちびとお酒も楽しむことができます。
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春木屋
1949年（昭和24年）創業。東急百貨店の裏エリアにあるラーメン店。戦後に屋台での営業から始まりました。
本店は荻窪で、伝統の味を継承。吉祥寺店はベースとなる味は守りつつ、新たな味を追求する店舗として営業しています。
2代目は今村幸一さん。春木屋ができる2年前の1947年生まれ。「美味しいラーメンを食べさせたい」という先代の真っ直ぐな思いを引き継いでいます。吉祥寺店を守るのは3代目の今村隆宏さん。
ラーメンはあっさりでありながらしっかりしたコクもあるシンプルな味わい。油が表面で蓋となって最後まで熱々の状態で楽しめます。
吉祥寺店はお昼時になると行列ができることも珍しくない人気を保っています。
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小ざさ（おざさ）
1951年（昭和26年）創業。屋台での団子販売から始まり、現在ではダイヤ街で行列の絶えない有名店に。
約1坪の小さな店舗で、お墨付きの羊羹（厚生大臣賞）と最中（農林大臣名誉賞牌）の2品のみを販売しています。
代表の稲垣篤子さんは1932年生まれ。先代であり父親の伊神照男が作り上げた羊羹と最中を「芸術品」として、その製法を受け継ぎ、現在に繋げています。
開店時間の10時頃に並べば最中を購入できることは多いですが、羊羹については開店前に並んだとしても全て予約済みで購入できないこともあります。
手間暇かけて、納得のいく品質を保つことができる量のみを作っているので、購入すること自体が難しい貴重な商品になっています。
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珍来亭
1951年（昭和26年）創業。ハモニカ横丁にあるラーメン店。
先代から受け継いだ正統派の東京ラーメンを提供。現在は3代目の姉妹がのれんを守っています。
入口前の狭い通路を通ると、店内から「いらっしゃい！」と威勢よく呼び込んでくれます。
1階を覗くと5人くらいしか入れないと思いますが、店内奥にある階段を登ると2Fのスペースもあり。テーブル席と座敷が用意されています。
ラーメンはコク旨で懐かしい味。強火で炒めた熱々のチャーハンも人気です。
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トニーズピザ
1968年（昭和43年）創業。まだ2代目、3代目と引き継がれているわけではありませんが番外としてご紹介。
2018年に50周年を迎えたピザ店。ご高齢の店主・藤原亀吉さんが現役で店舗に立たれています。
店内に入ってすぐ。左手のスペースで藤原さんがピザを作っています。
生地をこねて、伸ばすところから手作り。
オランダ・ドイツ・デンマークから仕入れたチーズを美味しく味わえるように、それぞれの特徴によってカットの方法を変えています。
最後までチーズを味わえるようにと、耳の近くまで丁寧にたっぷりと乗せているのがトニーズ流のこだわり。
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