吉祥寺駅北口から徒歩約10分。東急百貨店の裏エリアにある本格四川（中華）料理店。
入口、店内共に狭いので、見逃さないように注意しましょう。全12席の小さなお店です。

店内はグレーを基調としたシックな雰囲気。四川の古民家の建材として使われてきた青煉瓦が使用されています。
店内奥にある鳥かごを模した照明も特徴的。

料理のこだわりが凄い

メニューには雲蓉の料理のコンセプト、仕入れている食材についてのこだわりが記載されています。
中国四川省成都にある名店から学んだ古い料理や、店主が愛する四川省の郷土料理がメイン。
完全放牧の野生牛や、武蔵野地域でとれた野菜など、こだわりの食材を仕入れて、それらを辣油・ネギ油・山椒油、豆板醤・甜麺醤など、抜群に美味しい自家製調味料を駆使して調理。深い味わいの料理を堪能できます。

名物は麻婆豆腐

麻婆豆腐のメニューには「八味が渾然一体となった四川の味を追求」と書かれています。「八味」とは下記のこと。
四川省の特級花椒（麻マー）、自家製ブレンド豆板醤（辣ラー）、火傷するくらい熱い（燙タン）、柔らかい絹豆腐（燉ネン）、火を入れた時の香ばしさ（香シャン）、野菜と名古屋コーチンの鶏湯の旨味（鮮シェン）、豆板醤と肉そぼろと豆豉の塩味（咸シェン）、香ばしい肉そぼろ（酥スー）。

また、麻婆豆腐は辛さと痺れ、それぞれ好みの刺激を選ぶことができます。
辛さなら小辛・普通・大辛・激辛。
痺れなら小痺・普通・大痺・激痺があります。

普通を選んでも食べるほどにしっかりとした辛味が舌の上に蓄積されていく感覚になります。
濃厚な味わいでとても美味しい。
メニューに「激辛・激痺は食べ残された場合は1000円いただきます」と書かれているところが面白い。

一期一会の絶品メニュー

雲蓉はレギュラーメニューが少ないところも特徴的。
毎回、新しい料理を楽しめるところは良いのですが、以前食べたあの料理をもう1度食べたいと思っても、すでに提供していないこともあります。一期一会の料理が多い。

中華の定番、よだれ鶏。
しっとりした鶏肉、辣油や甜麺醤の辛味と甘味、ナッツと胡麻の香ばしさ、そしてパクチーの爽やかさ。
美味いの一言です。

走る豚ロース肉の重慶式ピリ辛酢豚2640円。
「走る豚」とは、熊本県菊池市にある山の中で自由に走らせて育てた武藤勝典さんの豚、とメニューに書かれてあります。余計な脂肪と臭みがない肉質が特徴です。
海老チリ風味のコク深い餡がたっぷりかかっているのに、豚ロースにサクサクの食感が残る調理法に驚きます。
野菜の食感、瑞々しさも素晴らしい。

麺メニューも美味しい

冷やし豆乳坦々麺1800円。
雲蓉の麺はサクッとした歯応えが抜群にいい。
胡麻と豆乳の濃厚な味わいと辛さ、シャキシャキとした食感のパクチーの爽やかな風味。プツプツした食感が気持ちいいコーンや枝豆も入っているので、麺を食べ終えた後は、それらをレンゲですくって1粒も残さず食べたくなります。

四川南方名物春ニラの和えそば。1度食べたきり見かけない幻のメニュー。
細かく丁寧に刻まれた香り豊かなニラ、ザクザクのナッツなどの食感も良い1品。

器の底にある油を全体的に混ぜ合わせると濃厚な味わいに。

少し高めの価格設定ですが、丁寧に作られた料理に満足できるでしょう。

ざっくばらんな感想・クチコミ

訪問日：2024/7/29

kj
・料理/盛り付け/器　★★★★★
ベースの自家製調味料が抜群に美味しいので、どの料理もハズレ無し。
メニューに写真がなく、どのような料理かイメージしにくかったので、ランチメニューは麺料理を注文しがちでしたが、酢豚などの定食も是非試してみて欲しい。味付けはもちろん、肉、野菜などの食材1つ1つもとても美味しいです。
器も中国の雰囲気があって華やかです。

・接客/雰囲気　★★★☆☆
フロア担当のスタッフが1名しかいないので、混雑時は厨房の近くから離れられずに、呼んでもなかなか来てもらえないことがあります。
大声を張り上げずに、厨房近くまで行って呼べば問題ありません。

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発信者：高橋賢司
Webディレクター／吉祥寺 Kichijoji GO！運営
吉祥寺在住。吉祥寺の飲食店情報を中心に発信。ときどき西荻、三鷹、中央線、全国の美味い店

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